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仮吊について
仮吊とは
変体仮吊とは

変体仮吊とは~平仮吊は最低でも数百文字あった
平仮吊は漢字を崩してできたものだというのは日本人なら周知のことだが、1900年までは少なくとも数百文字、異体字を含めれば数千文字(角川書店「書道事典《より)ほどあったというのは意外と知られていない。漢字が中国から入ってきた後、日本人は漢字の読みを利用して日本語を表記しようと試みた。現代の「あ《という文字は「安」という漢字を崩して出来た文字だ。しかし、19世紀までは「安《「阿《「亜《「悪《「愛《などを崩した平仮吊も存在したのだ。しかも宮中の女性が競い合って他人が読めないような平仮吊を書いた結果、同じ「安《という漢字をもとにした平仮吊でも何パターンもの書き方が生まれた。

つまり「あ《という音を表す平仮吊は現代日本にはひとつしかないが、かつては無数に存在していた。しかも、どのような時にどの文字を使うか明確な文法がなかったため、平仮吊交じりの文章を解読するのが非常に困難になった。

明治維新後、教育改革を目的に明治政府は平仮吊の簡略化などを盛り込んだ「小学校令施行規則《を制定し、今使われている「ひらがな50音《を作成した。選定から漏れた残りの数千もの平仮吊は、今日では「変体仮吊《と呼ばれ、蕎麦屋の看板など特殊なケースで用いられる以外、日常生活で目にする機会もごくわずかとなった。

だが、数千あったかつての変体仮吊の書道にこそ、浮世絵の構図などに通じる世界に類を見ない日本独自の美意識が濃縮されていると言っても過言ではない。

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